自然災害BCPを策定するポイント

介護事業における、「自然災害BCP」策定におけるポイントは4つあります。

第1に「正確な情報の収集・判断を下せる体制づくり」です。デマも発生する災害時において、緊急時の情報源やその共有を迅速に行えるどうかは生死に関わります。また、施設の全体意思決定者は誰か、また誰がどの外部機関と連絡を取るのかなど、情報伝達フローの構築も重要です。

第2に「自然災害に対する事前・被災時の同時対策」です。地域性を加味して起こりうる災害を想定した設備のチェック、インフラ停止時のバックアップ、備蓄確保などが事前対策にあたります。被災時の対策にはさらに「安全確保に関する初動対応」、「人命安全のルール策定および徹底」など、優先順位を定めての迅速な行動が取れるよう、対策準備が求められます。

第3に「被災時における業務優先順位の整理」です。現場や職員の被災状況によっては、通常より少ない人員や設備で介護を行う可能性が考えられます。その中で最善のサービス提供をするにはどうすればいいか、被災時における業務の優先順位の整理・確認も平時に行っておく必要があります。

そして第4に「1~3の計画を、災害時にスムーズに行うための普段からの周知、研修や訓練」です。BCP策定は職員に周知し、実際の災害時にスムーズに行えるようなシミュレーションや研修を行うことで、被災時にどれだけ動けるかが変わってきます。災害時に行うべき最適な行動は最新の知見で変化することもあるので、古い策定を使い続けないよう、定期的な見直しも必要です。