感染症BCPを策定するポイント

介護事業における、「感染症BCP」策定におけるポイントは5つあります。

第1に「施設・事業所関係者の情報共有・役割分担体制」です。感染したと思しき入居者・職員が発生した時、予め全体の意思決定者を決めておくことで施設全体の指針を定めやすくなります。更に「誰が」「どの関係者に連絡をするのか」、連絡フローを定めれば、保健所などの外部関係者との連携が迅速に行えるようになります。

第2に「感染者発生時の対応」です。介護は感染者にとっても必要なサービスであり、同じ施設・サービスを受ける他の利用者にも継続的なサービスが提供される必要があります。平時だけでなく、感染者が発生した時の対応およびシミュレーションが求められます。

第3に「職員確保」です。職員が感染者となる、濃厚接触者となっての隔離が起きると、職員不足に陥ります。緊急時における職員確保体制の検討、関係団体・都道府県への応援依頼についても定めておく必要があります。

第4に「業務優先順位の整理」です。職員が不足する中での介護サービスは平時通りとはいきません。業務の優先順位を整理することは、可能な限りサービスを維持することを念頭に置きつつ、職員人数に応じた最善の業務遂行に繋がります。

そして第5に「1~4の計画を実行に移すための周知、研修や訓練」です。ただ書面で周知するだけでなく、実際の事態を想定した研修・訓練や、最新の知見に基づく定期的な計画見直しも重要です。